胃がんから命を守る

早期発見と機能温存手術

胃がんを治すための最大の武器は手術療法です。しかし、術後の食事や後遺症などご心配なことが多いと思います。早期に発見されれば切除範囲の縮少が可能となり、これらの症状の軽減につながります。根治性を損なわずに胃のもともと備わった機能をなるべく温存する術式のことを機能温存手術といいます。具体的にどのような方法で行い、どのような利点があるのかなどわかりやすく解説いたします。

講演者

布部 創也(ぬのべ そうや)先生

がん研有明病院 胃外科部長

私たちの時代は卒業と同時に入局する科を選びました。学生時代に各科の授業や簡単な臨床研修はありますが、なかなか具体的なイメージがないまま自分の進路を決めなければなりませんでした。当時の記憶は定かではないところもありますが、外科医になれば診断から手術まで行うことができ、更には抗がん剤も扱えると思っていたのでしょう。
実際外科医になってみると、そんなオールマイティーな外科医はなかなかおらず、研修医時代は術後管理と雑務に忙殺される日々が続きました。また、時代の流れとともに各分野の専門分化が進み、消化器外科のなかでも胃外科や大腸外科などと分かれてきました。
かれこれ20年近く胃外科専門で手術治療の精度を上げることに心血を注いできましたが、本日発表いただいている各科の先生方と協力し、良好なコミュニケーションを確立することが患者さんにとって何よりも重要だと思うようになりました。
1971年生まれ、人生100年時代のまさにターニングポイント。今まで培ってきたスキルや知識をリセットし、変化を受け入れながら常に前を向いて頑張っていきたいと思います。