小学生から大学までは、サッカーに明け暮れていた。1999年に高知医科大学医学部を卒業すると、聖路加国際病院で医師としての道を歩み始めた。そこでは、毎日のように吐血や下血の患者さんが救急外来に運ばれてきていた。緊急内視鏡でクリップによる止血を行うと、不安定な血圧が、瞬時に改善した。研修医の自分は、強い衝撃を受け、自分も高い技術をもつ内視鏡医になろうと決めた。そして今、がん研有明病院で胃がんを克服するために、日々内視鏡を握っている。内視鏡室の運営はサッカーと同じチームプレーと思っている。医師以外にも、看護師、助手、事務員が一丸となって、安全で質の高い医療を提供しようと頑張っている。胃がんを内視鏡で切除する医師が、ゴールを決めるフォワードとすれば、そこまでボールを回してくれる看護師、助手、事務員はハーフやバックである。全員の協力がないとよい医療はできない。「チーム医療」、私が好きな言葉である。